お風呂に入らない祖母 認知症(物忘れ)の始まり日記 どうやったらお風呂に入るの・・・?
私(ごぼう先生)の祖母は認知症です。2015年2月時点で要介護3です。
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お風呂の問題は家族も悩まされました。
私がまだ実家に住んでいる幼いころから、祖母は必ず最後にお風呂に入る習慣でした。7人家族なので、順番気を使っていたのと、それ以上に、とてもマイペースなのでゆっくり浸かりたいということが理由なのかなと思います。
祖母の嫌いなものはたくさんありますが、特に「風」は大の苦手でした。
現在は認知症が進行したため、今こそ言わなくなりましたが、外に出たくないという理由も「風」が吹いているから、換気扇の風でさえ「風」が吹いてるなぁと気にして、「おばあちゃん寒がりだから」と恐ろしいほど風に敏感でした。
認知症の初期は、気になる部分が無限リピートしてしまいます。
脱衣所にも簡易のヒーターを置いていましたが、冬場はさすがに寒い。
さらに動作がゆっくり、寒がりなみっちゃんは何枚も下着を重ねて着ている。
結果、風邪をひきます。
風邪をひく+寒い時期=入浴拒否
2週間以上、お風呂に入らないことは何度もありました。
そして、2週間ぶりに入るお風呂はとんでもない垢です。家族はため息。
デイサービスには入浴ができるサービスがあります。足が伸ばせるほど大きなお風呂もあるので、利用者さんは気持ちよく利用されている方が多いです。温泉を売りにしているデイサービスさんも存在します。
デイサービスへ行き始めたとき、入浴サービスを家族は希望していました。しかし、プライド高い祖母は当然のごとく入浴拒否。
「入りません」の滑舌はハッキリしていました。
そんな状況でも、家族の悩みを知っているデイサービスのスタッフさんが気を利かして、上手にお話をして2,3度入浴サービスを利用させて頂きました。
誰でも、不満のあることを続けると、どこかでパンクします。
みっちゃんは入浴だけではなく、デイサービスの利用すらお休みするようになりました。
2週間ほどで復活しましたが、被害妄想を話すように、「あそこでお風呂に入ると風邪をひく」「身体のことをバカにする人がいる」なんて話すようになりました。
ちょうどそのころに、私の次女がヘルパーの資格を取りました。
なんとか、私の次女や母がついて、自宅で入浴をするようになりました。
大変な労力だったと思います。
話は飛んで、現在は週に3回、デイサービスで入浴しています。
クレームは一言もありません。
二つの理由があります。
・ひとつは認知症の進行。
認知症は本人のプライドも少しずつ奪っていきます。
そして、もうひとつは。デイサービスのスタッフさんのある言葉でした。
現在の介護3の認定になったとき、担当者会議でお風呂について話し合いになりました。ケアマネージャー、デイサービスのスタッフさん、私、私の家族。
皆さんで祖母のお話しをしました。その中で、お風呂の話が出て、久しぶりにもう一度だけ入ってみましょうという話が出ました。
全員でみっちゃんに呼び掛けたため、祖母もその場では納得。
その2、3日後、祖母は納得したことも忘れていましたが、久しぶりにデイサービスの大きなお風呂に入ることになりました。
そこで、ある女性スタッフさんが、
「綺麗なおっぱいしてますね」
賭けのような言葉にも思いますが、祖母は大喜び。よっぽど印象に残ったのか、
自宅に帰っても、おっぱいの自慢話をしていました。
それから、お風呂の問題はほとんどなくなりました。毎回デイサービスでお風呂に入るようになったのです。
何がキッカケで行動するかは、人それぞれですが、
その人のことをよく見て、その人のことを思い、その人のことを考えて話す言葉で、他人に変化を与えることができると思います。
祖母の「おっぱい」を褒めてくれたスタッフさんに本当に感謝しています。
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