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物忘れスタート日記 ごぼうの祖母は認知症 <デイサービスに行くまでの苦労>

ごぼうの祖母は認知症です。今回はデイサービスに行くまでを書き記します。

デイサービスに行かない、行けない、そんな認知症を持つご家族さまが少しでも楽になれば、少しでも共感できれば幸いです。

 

鬱の症状と引きこもりが数年に続いた、祖母の初めての介護認定は「要支援2」でした。

その頃の祖母は、下肢の筋力が弱り、歩けばフラフラ。

何かをつかまないと転んでしまいそうな状態です。

 

お風呂は非常に動作がゆっくりなため、服を脱ぎ始めて、お風呂に入り、また着衣するまで2時間くらいないと済ませれない状態でした。冬場は着脱に時間がかかり、よく風邪をひいていました。

 

夏場でも1週間お風呂に入らないことがありました。非常に・・・臭います。

 

その当時はまだ「認知症」という診断はなく、計算問題は得意にできていました。100の数字から7を順番に引いていきましょう。という問題も、すらすらと。頭にそろばんがあるように。流石です。

 

しかし、「あれあれ、それそれ、あそこあそこ」 会話の中で、代名詞を使う機会が非常に増えました。頭でイメージができていても、名前を思いだせません。

 

 

認定を頂いてから、ケアプランを作る担当のケアマネージャーさんが決まります。

 

どんなサービスを利用していくのか。介護のことをよく知らない場合は、ケアマネージャーさんの力量で左右される場合があるかと思います。本当に忍耐のいるお仕事なので、基本的に皆様良い方、思いやりのある方ばかりです。

 

中には、新しくできた施設の見学や情報に関心を持たないケアマネージャーさんもいらっしゃいます。アタリ、ハズレがあることは事実です。

 

話は変わりますが、私は地元のデイサービスを初めて見学をしたとき、介護に対するイメージが変わりました。30人いる身体が不自由な利用者の方々を、8名くらいのスタッフさんが緊張感を切らさず、笑顔で、ひとりひとりの名前を呼び掛けながら丁寧に接する姿は、「居心地のいい満席の居酒屋にいるような気分」でした。

運が良かったと思います。あれほど忙しく、質の高いデイサービスは今になっても一番です。

 

何よりも利用されている方々の表情が本当にキラキラしていました。 現在、20か所以上のデイサービスさんにお邪魔しましたが、利用されている方々の表情を見ると満足度がわかります。ところによっては、利用者さんに表情がありません。また、スタッフもそれが当たり前だと思っている様子に感じてしまいます。

 

介護に対して、また働いている方に対しても、正直パッとしなかった私は、何も知らないただの偏見でした。

右ストレートを食らった気分で、介護の印象が変わった瞬間でした。

 

話は戻り、運が良いことに、祖母が紹介されたデイサービスは、私が感動を受けたデイサービスでした。ここに行けば、楽しい気分になれるだろうと、家族全員全力で背中を押して、体験利用の日程が決まりました。

 

当時、引きこもりだったのみっちゃんは猛反対でした。

 

体験当日、仕事を終えて携帯を見たとき、「おばあちゃん、行かなかったよ」と、私の母からのメール。予想できていたため「やっぱりか」という感想でした。

なんと、お迎えの車が来た時に、急に体調が悪くなったとのことです。

 

小学生か!とツッコミたくなります。

しかし、今考えると実際痛かったかもしれません。本当に外に出ていなかったので。

 

どうすれば、行くのかな。

 

そもそも、介護に行きたいと思う方は誰もいません。

しかし、1度でも行ってみないとデイサービスの味を知らないままです。

そのまま、人生を終えてしまいます。

 

考えた末に、強引に私が連れていくことにしました。

仕事を遅刻して。 理解いただいた上司に感謝しています。 さすがに、祖母もイヤイヤでしたが、自分の行動に気遣い、一緒に行くことができました。

 

デイサービスの玄関に到着したとき、管理者の方が出迎えてくれました。

 

管理者「お越しいただきまして、ありがとうございます。歩くことはできますか」

祖母「できますよ。スタスタスタ」

私「はっ?誰だこの人は」

 

と疑ってしまうほどの歩きよう。答えっぷり。もう大丈夫だと思い、私は玄関で挨拶をして仕事に戻りました。

 

祖母が約5年間の引きこもりで古びて錆びついたスイッチが、OFFからONにガチャっと切り替わり、元キャリアウーマンだったころに戻った瞬間でした。

 

その日の晩御飯。「ゲームで一番を取ったのよ」と上機嫌。とても嬉しそうに表情良く話していました。気に入らない部分もはっきり言っていましたが、その日をキッカケにデイサービスの利用が始まりました。

 

初めのころは、気分の問題で休むことが多かったです。しかし、デイサービスへ行ってきた後は表情がありました。笑顔がありました。

デイサービスのスタッフさんの質が良かったため、祖母の気持ちのいい部分を上手に褒めて頂き、通う回数も少しずつ増えていきました。

 

 

少しずつ祖母の居心地のいい場所になっていった様子でした。

 

 

デイサービスに1回通って、激変するわけではありません。

通うことが習慣となって、少しずつ自分の居場所になるところなんだと思いました。

 

 

通い始めて約5年が経ちました。現在はスタッフも大きく変わりました。雰囲気も変わりました。

 

祖母も認知症が悪化して「要介護3」の認定になりました。しかし、祖母はとても「穏やかに」「笑顔」でデイサービスを休むことなく週に5回、通い続けています。

 

 

株式会社GOBOU 簗瀬 寛

 

 


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